みちの道のり

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2021/03/04

3月4日監査があったことへの謝罪文

関係者の皆様へ

 いつも大変お世話になっております。
 実は、3月4日(木)に、監査が実施され、主に私が特定の利用者に対する暴言等についての実態調査でありました。調査にはかなり誤認もあり、そこは、しっかり否定させてもらいました。
 ただ、ご存じの方もいるとは思いますが、今から13年前、ある利用者の息子さんと約束をしました。特別な親子関係、特別な家庭環境の中、自分の父親を怨み続けるその姿を見て、「その怒りを私に預けて欲しい。これからは衣食やタバコの管理を私が行い、家では夕食の準備と寝る場所だけご提供ください」と直談判をし、そこから、私とその方との、衝突と葛藤の日々が始まりました。
あれから10年以上、多くの恨みや憎しみがあった息子さんも、今は一緒に病院へ連れて行ってくれるようになり、正月は紙パンツまで交換してくれるようになりました。毎朝、うちのデイ利用時には奥様の遺影に手を合わせ、ようやく長い月日を経て、冷めた家族関係が多少なりとも修復ができたことは、在宅介護の素晴らしき成果だと思っています。
 私達の使命は「家族愛の復活」であり、たった一つの介護という障害で、家族の絆を崩壊させることがないよう支援するのが、その大切な役割だと思っています。
 しかしながら、他の利用者とは違う、その人だけの特別な関係に不満を持つスタッフもおり、私もケアマネに涙ながらに相談し、ここ数年は直接関わることを最小限にしてきました。他の利用者に迷惑をかけた時のみ厳しく叱責はしましたが、それ以外はスタッフが全てやってくれていました。
 この十年以上の間、毎日毎日休みなく顔を合わせ、家族以上の家族となり、毎朝決まった距離を一緒に歩き、一緒に食事をし、私は私なりにその方を最期まで看取ろうと覚悟を決めておりました。そうした矢先、今回の監査によって、事実と異なる形で明るみになったのは慙愧に耐えません。
 当日の調査は、かなり歪曲化されており、在籍するスタッフも否定してくれました。でも、正直、当家は暴れる利用者は多いです。殴られる危険が高いから、その時だけは2名で腕を持つなど行動抑制はしたことはあります。大声で叫んで周りに迷惑がかかる時は、私が赴いて怒ることもありました。ただ、それは特別危険がある時のみ行うものであり、必要以上にすることは絶対にありません。怒る理由、関係、空気はあれど、現場の最先端では、それを防ぐことが難しいのが現状であります。
何か問題があれば利用を断るのは簡単です。でも、私はそれはしたくありません。困っているから道に来る。私の信条は、「諦めない覚悟」です。どんなに殴られても、蹴られても、その人の在宅生活は私達が絶対に守り抜くという覚悟です。しかし、そうしたことが、結果的に、不本意な形で表面化され、一部を切り取られて加害者扱いされたことは、本当に無念でなりません。
調査で名前が挙がった数名の利用者さんのご家族に事情を伝えると、「道さんがあるから助かっている」「何か処分があったら署名活動でも何でもする」と言って頂き、涙が出るほど嬉しかったです。
とはいえ、私も管理者として、あらゆる点について不手際があったことも事実であり、そこはしっかりと反省をし、修正をし、これからは職員全員が一丸となって、再出発を致します。
法人設立して16年が経ち、おごりがあったと思います。今回のことは不名誉ではあるけれど、ここは逆に変われるチャンスと捉え、今後は、日々の実績を通して、信頼回復に努めて参ります。
この度は、皆様にご迷惑、ご心配をお掛けして、本当に申し訳ありませんでした。

令和3年3月16日
憩の家みち
家長 石津道弘