みちの道のり

みちの道のり

2020/05/03

コロナに負けない。強い信念を持つ!

「不安」。俺達は不安の中で闘っている。継続すれば、利用者、スタッフ、子供達にいつ感染するかわからない不安。クラスターが出たらボロクソに叩かれ、これまで積み上げてきたものが一瞬で消え去る不安。でも、休業すれば、利用者の生命がすぐ脅かされる不安、在宅での世話ができずに家族が路頭に迷う不安、何の補償も収入もなく生活できなくなる不安。そして、何が正しい選択かわからない、この宙ぶらりんの状況が続くことへの不安だ。
ある知り合いの施設には、「老人が集まるところなんて早く閉鎖しろ」と心なき投稿もあった。俺もここ数日、マスコミに出れば、心ない奴らが「あの周辺にコロナが出た」と根の歯もない噂で笑う。新聞記者もNHKも「この時期はどこも取材をさせてくれない」と話していたが、そんな中、俺が表に立ち、恥を晒し、公に出る理由は、人間の愚かさとは、そんな「不安」に己が負けることだと思うからなんだ。
これを打開するには、介護現場の実情を、多くの方に観てもらうこと。そして、リスクを最小減に奮闘する現状を理解してもらうこと。予防対策には限界がある、感染のリスクは明らかに高い、でも、誰も助けてくれない実情をまずは多く国民に理解してもらうこと。その次に、高齢者介護、障害者福祉を司る人間が、1日も早い不安を払拭するため、業界のコンセンサスを得ること。それは俺達末端の人間がやるのではなく、これまで厳しく指導監督してきた担当行政の役割だ。トップがステイホームするのではなく、現場に足を運び、不安をなくすためにベストと思う策を共に考え、共に行動することだと思う。ただ、悲しいかな、現状は継続・縮小・休止の苦渋の選択を迫られ、全ては事業所任せ、責任の所在もすべてこちらに委ねられている。吹けば飛ぶような俺達のような事業所は、特に苦しい判断に悩まされている。「福祉」とは、幸せの中から生まれた贅沢な産物なのかもしれないな。
不安はみんな一緒。行政も走りながら策を打っているのは理解できる。でも、これが長引けば長引くほど、不安が恐れを増殖し、人が人を攻撃し、福祉とはかけ離れた、愛なき社会が横行するのを危惧する。強いトップリーダーの不在が、それを助長していると感じる。
介護の仕事は美化できるもんじゃない。汚いし、安いし、辛い仕事だ。でも、そこにプライドを賭けて頑張っている馬鹿な連中もいることを忘れてはいけない。強くもない介護ヒーローもまた、不安を自信というエネルギーに変え、「顔で笑って、心で泣いて」、毎日奮闘してる。ゴールデンウィークなんて関係ない。ステイホームできる人が羨ましい。やせ我慢と揶揄されても、俺達はもっと胸を張って、「介護魂」を大切にしていこう。
伝えたいこと。それは、別に医療従事者のように讃えてくれなんて言うつもりはないが、介護現場もまた、その人の生活を守る為に、常にその末端で闘っていることをわかってほしい。コロナに感染される恐怖より、不安に惑わされる人間の愚かさの方が、何倍も恐ろしいことをわかってほしい。今こそ、不安に負けない強い信念を俺達は持つべき時のように思う。
「決して負けない〜、強い力を〜、僕は一つだけ持つ〜」、ブルーハーツか、懐かしいな。まぁ、偉そうなこと言っても、俺は酒で不安を払拭してますけどね(笑)。
マスクは嫌いだからつけない、窓が空いてたら閉める、部屋の隅でおしっこする、ステイホームは身体拘束だ。だから、不安なんて言葉は知らない。そんなこと一切関係ない。自由気ままに歩き、食べ、出し、寝る・・、俺はたまに思う。「認知症の人が羨ましいな」ってね。
さて、いつものように暴れるおっちゃん、お風呂入れたるか!ステイホーム、いつもの光景、これぞ、介護魂じゃ!