4月15日(水)焼津松風閣にて、憩の家みち20周年記念昼食会が行われ、総勢87名の参加がありました。当日は98歳、97歳の方を中心に「長幼の序」というテーマで楽しく会食が出来ました。
本当に皆様のお陰です。有難うございました。
以下に、当日配布した資料を貼付しました。
憩の家みち20周年記念昼食会 ご出席の皆様へ
この度は、ご多忙の中、当家20周年昼食会にご出席を賜りまして、誠に有難うございます。ここまで歩めたのも、ひとえに皆様のお力添えあってのこと、心より御礼申し上げます。
これまでの道のり、本当に色々なことがありました。不思議と楽しい思い出より、辛い思い出の方が脳裏に浮かびます。縁もゆかりもない牧之原の地で、何もない小さな家、土日も関係なく、毎日、同じことを繰り返してきました。20年前、お金も人脈もない中、ただ、「福祉を実現する」という妙な自信だけで歩んできました。
それでも、今日と言う日を迎えられたことは光栄であり、関わってくださった全ての方々のお陰だと感謝しております。
私が子供達に福祉を伝える時、生きるとは、多かれ少なかれ、「希望と絶望」の繰り返し、それが周波数のように死ぬまで続くことだと話しています。その中で、成長は希望が多く、老化は絶望が多い。昨日出来たことが出来なくなる、歩けなくなる、ウンコやオシッコが自分で出来なくなる、家族の会話もなくなる、それが悲しいかな、老いという自然現象です。
この介護の仕事とは、達成感というより虚無感の方が多いと感じます。出会い別れが当たり前のように繰り返される毎日、食べることと出すこと、忘れること、そんな老いの現実を目の当たりにしていると、それをつくづく思います。これが本当に正しかっただろうか?もっと出来ることはなかったか?そんな答えなきケアの正解に苦悩します。
ただ、これまでの経験で私が感じたことは、老いという逆境に対し、「希望」をどれだけ与えられるかということです。私達は、単に介護をサービスとして提供するだけなく、利用者さんには「長生きして良かった」と思ってもらうこと。ご家族には「介護は大変だけど、一緒に暮らして良かった」と思ってもらうこと、それを創造することが、我々の本来の責務だと考えています。
人生にはそれぞれの道があり、確実に終着地へ向かっています。でも、たまたまこの道で出会い、共に手を携え、お互いが許し合い、励まし合い、この時を共有することは無限の価値があると思います。いずれ訪れる別れの為に、この一瞬を永遠にすること。それが、この道20年の礎であり、明日への光と繋がります。
子供達には福祉の大切さをこれからも伝えていきます。人の痛みや苦しみを理解すること、その中で、自分達に何が出来るかを考える必要性を説いていきます。「子供が笑えばお年寄りが笑う」、これが未来の福祉の種であり、ようやく辿り着いた答えです。
私達が主役になってはいけない。あくまで脇役に徹すること。陽の当らない所にこそ光を当てる、声なき声に耳を傾ける、誰かの手となり足となり、最期まで支え続ける。
「ろうそくは身を減らして人を照らす」、この気持ちをこれからも絶対に忘れません。
また、明日から同じような毎日が始まります。老いという精神成長過程において、出会い・別れる、そんな人間の普遍的な日常に、少しでも「希望への道」と成れるよう、これからも努力して参ります。口下手で文章にて失礼しますが、この機会が、その決意表明として受け取ってくだされば幸いです。
令和8年4月15日
憩の家みち
家長 石津道弘


