来年度から、介護報酬の単価が下がることが予定されている。また、利用者の負担も一部増えていくだろう。もちろん、膨れ上がる介護保険、そうしなければ、運営できない現状もわかるし、そうなることは予想がついた。

俺は大歓迎だ。内部留保のある法人も多く、金持ちが自己負担が増えるのも当然だ。安易に、公助が届いてしまう介護保険の現状があるので、それを厳しくすることはすごく大事だと思う。

しかし、マスコミもここぞとばかりに、介護報酬を下げることが、介護人材の流出につながることを指摘しているが、そんなことで辞めるやつらなんて、そもそも人の世話なんてできるわけがない。もちろん、綺麗事ではすまされないのもわかるが、世間では「一般の会社より介護業界は10万円も低い。基本給与が20万弱だ」という。

俺からすれば、ばかやろう。それでももらいすぎだと思う。20万あれば、どれだけ飲み屋にいけると思っているんだ。そもそも、贅沢いうんじゃないよ。だいたいマスコミがそういうこと言うから、馬鹿な介護職員なんかが変な権利をいいだすんだよ。「一般に企業なみに」って。バカか。

一般人みたいに立派になれないから、介護の仕事やってるんだよ。逆にいえば、あいつらより立派な仕事をしているし、それ以上に付加価値が他の企業より10万円の価値がそこにあるんだよ。

本当にほっとけよ。ほっとかしてくれよ。

俺達は純粋に困っているひとの為に介護をしたいんだ。それで飯が喰えることは本当にありがたいことだけど、仕事が楽しいんだ。人が大好きなんだ。困っている人を笑顔にすることが俺達のやりがいなんだ。

アホな役人共は、目先の数字だけで評価して、介護保険をどんどん改正していまう。それに従わざるをえないし、右往左往するのは結局は俺達なんだよね。弱いねぇ。

でも、そもそも、特養や老健、医療法人や社会福祉法人なんて、どえらい内部留保があるんだから、当然なんだよ。エライ奴はふんぞり返って、一体いくらもらっているんだよ。以前、ある法人の施設長の給与明細みたら、びっくりしたもんだ。現場職員の3倍はあったぜ。理事クラスなんて、もっとすごいことになっていると思うぜ。まったく、第1線で現場で働いている奴の方が本当に偉いと思う。もっと、そういう奴らに還元すればいい話だ。

それに、今回の改正で通所介護が狙い撃ちされたみたいだけど、それは馬鹿みたいに小規模デイを乱立させて、裏できっちり設けたフランチャイズの奴らのせいだと俺は思う。本当に目的意識をもって、決意をもって、金なくても頑張って立ち上げた奴なら本物だろうが、そんな善良な思いを逆手にとって、それを教育と称して教え込み、多額の上納金を納めるというくだらない業者がいる。

そもそも、こうなったのはお前らのせいなんだよ。俺達、いや、他のデイを始めた人もきっとそうだろう。ちゃんとした目的があった。「金はないけど、やってやろう」「社会福祉法人に負けてたまるか」「補助金なんてなくたって、自分達の思いで貫いてやろう」。みんなそうやってはじめたんだ。それが今起動に乗っているだけの話だ。

それを一部の賢いやつらによって壊された。通所介護がビジネスとしてとらえられ、利益率が高いということだけが先走りして、俺達もあいつらと同じ、ひとくくりにされてしまったのが悔しくて仕方がない。時代がそうさせたと思うし、それも必要だったかもしれないが、肝心な信念まで、打ち消されたような気がしている。

小規模デイに限らず、自らの力で購入し、立ち上げた人間は、俺はだれもが本物だと思う。誰の力にも頼らず、悩み、苦しみながら存在する施設こそ、本来であれば認められるべき価値ある介護施設と言えると思う。

俺達ももう少しで10年が経つ。「あいつらに負けてたまるか」って、いつもつっぱって生きてきた。「俺達は俺達」「信念を貫く」と、強がっているだけなんだよね。役人の馬鹿どもは専門性を重視し、細分化するつもりだ。古い考えの俺達は、いつも置いて行かれて、老いて行くだけの存在なのかもしれない。

俺は、この汚い世界なんて、いつやめてもいいから、やつらに媚びを売るつもりも、日和見主義になるつもりもない。下がったら下がったなりになんとかやるさ。20万も給与がもらえて、楽しく仕事ができて、利用者さんが喜んでくれて、そして別れて、学んで、出会って、こんな最高な商売ないからな。

介護の魅力って、そこなんだよ。それを気が付いてない奴が多すぎる。銭金じゃねぇんだよ。ハートだとハート。熱いパッションが大事ってことを、伝えないといけない。古臭いけどさ、俺はそいつを守り通したいんだ。

どんどん介護報酬なんて下げてしまえ。エライ奴らの給与なんて下げてしまえ。福祉法人の優遇なんてやめてしまえ。その環境下でも、モチベーションを保ちながら生きた施設こそ、本物なんだ。もう、バカみたいに乱立しているから、そろそろそうした振いにかけてもいいような気がする。

さて、それはそうと、現実的にはこまったわい。しょうがねぇから、飲み行く回数減らすか・・・。