先日、厚生労働省の発表によると、団塊世代が高齢者になったとき、約5人に1人が認知症という驚きのデータが出た。まぁ、俺は別に驚きはしなかったけどさ。

でも、これから益々介護が必要な高齢者が増えていくことは目に見えている。たしかに、それに合わせてハード面を整備していくことは必要ではあるが、それだけでは絶対に追いついていけないのは目に見えている。介護難民という言葉あるが、そうした人を出してはいけないことは当たり前のことだ。

ただ、施設を増やすにも限界がある。それなりの費用、税金を投入し、膨れ上がる介護保険の自己負担、慢性的に担い手不足など、絶対にそれだけでは足りない。これから介護保険が改正され、職員の給与を上げるような、無駄な手当がつけられるようであるが、そんな微々たる加算程度で、うちらの介護職員のスキルをあげたような勘違いをしているのは、馬鹿な役人の無知な考えだ。

また、外国人の介護労働者についても、初めて前年比率を落としたというデータもあった。それを欲しがっている施設は増えても、その担い手がいない。もっとも、外国人だって、そこにうまみが感じられないわけだから、それなことは目に見えている。自国の年寄りを他国の人間に看てもらうという、日本人のモラルのかけらもないこんな無知な政策に、どれだけの国費が使われているか、考えただけでも頭に血が登る。

この業界の人手不足は、慢性的だ。でも、高齢者は増える。施設も増える。このままでは、かならずバーストすることが火を見るより明らかだ。

俺は前から言っている。今こそ、「家族愛」なんだよ。家族で看ることの大切さを、ハード面の整備と同様に俺達が発信していかなければいけないということなんだ。それなら、今すぐにでもできる。

俺は仕事柄、色々な家族を見てきたけど、概ね、やはり家族愛の足りない家族が多い。「親は子供が見るのは当たり前」という意識が欠落している人が本当に多いのが実体験としてある。だから、安易に介護サービスにつなげたがる。家にいてほしくないから泊まりにいかされる。

もちろん、働いている家族にとってみれば、そうしたサービスを使わないと困ることはあるだろう。だから、全てが悪いとは言えない。でも、サービスを安易に利用できる点、ケアマネも安易に進める点において、俺は大きな疑問を覚える。

出来る限り家族で看る。関わりをもてる時間を作ること。それには、たとえばもっと介護休暇の充実であったり、働き方の選択制や働く時間が自由になったり、そうした社会全体が応援するシステムは欠かせないと思う。特に、男性の介護休暇というのは、もっと社会的に認知され、子育て同様に介護にもそうした時間を、男性が関われるようにしなければならないと思う。

極論をいえば、親を面倒を看る義務を法律に明記すればいい。どうしてもサービスを利用する場合は、その理由と事情を記入し、届出制にすればいい。本当に困っている場合は、そうした方法でフォローし、なるべく家族で看れる、また過ごせる力があるならば、それは利用できないようにすれば簡単だと思う。

もっと言うならば、そうした家族で看ることができたところには、一部の補助金など与えてもいいかもしれない。休暇で収入が減るのであれば、そうしたもので補てんする方法だっていくらでもある。

俺は、これからの高齢者の増加に合わせて、増え続ける施設にも疑問を思う。そして、マンパワーがそれについていかない。でも、困る人が多くなるだろう。だからこそ、考え方を、「家族」という原点に返り、そこに熱いフォローをしていく必要があるように思う。つまり、各々の家庭において、自分の親を介護することは「当たり前」でもあるし、また「仕事」であるという認識を持つべきだ。それが、真に在宅介護を推進する特効薬としてなると俺は思っている。

俺達の商売も、本当に忙しいことは有難いことではあるが、絶対に増えすぎてはいけない。俺はいつ止めたって後悔はない。むしろ、こうしたサービス事業所なんて、なくなることが本当の正しい答えなのだと思う。

施設建設、人員補てんのために多額の税金を投入するのではなく、何度も言うが、家族愛、家族福祉、ここに俺達の貴重な税金が注ご込まれていくことを、俺は切に願っている。

そうだな、親の面倒を1日みたら・・・5000円、10000円の補助金。それなら、みんな喜んで頑張るじゃないかな。まぁ、家族愛も金で換算したらよくないけど、その方が、俺はこんな腐った家族のきずなを復活させるには、最高の近道のような気がしてならない。

俺だったら、まぁ、プロだから、20000円位にしてやるか。（笑）