よりみち

 この“よりみち”は、家長:石津が勝手に、ウンチクを語ることで、「こんな馬鹿な男もいるんだ」と、皆さんに生きる勇気を与える為の文章を載せています。  尚、内容に関しての苦情、反論、哀れみなどはご遠慮ください。強がっているわりには、打たれ弱い性格なので・・。また「憩の家みち」とは何ら関係なく、あくまで個人的主張であることを重ねてご理解ください。

よりみち

喉頭部にポリープがなんぼのもんじゃ!

最近、このくだらない介護業界のストレスがあり、正直、かなり体調が悪い。今まで頭は悪かったが、体力だけは自信があったのだが、この歳で、いきなり疲れがきた感じがする。

俺は昔から長生きなんてしたくないと思っていた。でも、心のどこかで、まったく逆のことを思っていた。若いころ、興味本位で麻薬にも手を出した。セックスピストルズのシドに憧れて、大した不良でもないのに、一生懸命強がって生きてきた。

でも、最近、急に息苦しいことが度々あり、夜間救急にかかることも何度かあった。それでも、病院の冷たい対応にカチンと来て、喧嘩して帰ったこともあった。苦しいのがつらいから、酒を浴びるほど飲み、意識がなくなるほど店でカブ飲みし、それで寝たりもした。

ほんの一週間前、この息苦しさの原因を調べに病院に行った。俺は、アレルギーが喘息の影響だろうと、安易に考えていたら、ある病院にいったら、気管と食道の付近にポリープがあるって言いやがる。

それはまだ小さいけど、良性か悪性か、取って検査しないとわからないのこと。しかも、取るのが、全身麻酔で、手術は15分で済むみたいだが、2、3日は入院をしなければならないとのことだった。しかも、手術をしたら、少なくても1、2週間は絶対に禁酒という過酷な宣告を受けてしまった。

別にがんが怖いわけじゃねぇ。
いや、嘘だ。怖い。でも、俺は19歳の時に全身麻酔した感覚を覚えているから、また、同じことをするのが、ガンよりも怖い。本当に、臆病者だよ。

この喉頭部のポリープは、直接的に息苦しいことに影響しているわけではないようだけど、今は、とりあえず、逃げるだけ逃げようと思っている。受診するのが単純に怖いんだ。

俺は悪ばっかしてたから、たぶん逆に良性な気がする。結局、医者は自分だから、誰の意見も聴きたくないわな。あの医者は「あの〜、ここにあるじゃんね?まぁ、言ってみれば腫瘍だね」・・。その「言ってみれば」という点が、違うのじゃないかと自己暗示をかけている。

「ここでは手術ができないので、○○病院に紹介状を書きますので、いつ頃にしますか?」と、可愛い顔して、冷酷に伝える看護婦も、どことなく冗談で言っているような気がしている。

とりあえず、よっぽど痛みがあるようならもう一度検査しようと思うけどさ、たとえそれが悪性でも、俺は別にいいかなって思っている。それが天命なら仕方ないし、今さらくよくよしても仕方ないからな。でも、なぜかこの病院を受診すする前に、般若心経の本を買って読んでいたのも、何か相通じるものがあったかもしれんな。

でも、俺は、英雄のようにカッコよく命を切り捨ててまで、自分の美徳を貫こうと思っていないし、そんな力量もない。でも、そんな死の美徳は、侍魂じゃないけど、誰もが憧れるものかもしれないな。だけど、俺は凡人だから、きっと醜い人間として、一生懸命、生きる為に努力し、もがき続けると思う。

最後には、悪い遊びをたくさんして、悪口たくさん言って、「あいつ最低」と罵られ、それが結果的に、追われる命に逃げ回る命、最後まで醜い存在であると思う。でも、俺はそれこそが、人間の生ある美徳のような気がする。美しく可憐な花が散ることだけが、死生観じゃないはずだ。俺は、我武者羅に生きて、全身管だらけになろうが、看護婦にセクハラして、最後は石を投げられるが如く死んでいく方がよっぽど似合ってる気がする。人生は映画のようにきれいなもんじゃないさ、人の命なんて儚いものだろう。

特に、俺は福祉を職としているから、名脇役でなければいけない。所詮、名わき役の最後は、誰も知らん間に、猫のようにいなくなるものだと俺は思うよ。

しかし、今、38歳、今年で39。体力的に、何となく自分の限界が見えてきたような気がしたよ。歳はとりなくないわなわな。

酒を飲みながら、自己葛藤するいつもの夜だった。


投稿日:2010/05/30 23:39:25