よりみち

 この“よりみち”は、家長:石津が勝手に、ウンチクを語ることで、「こんな馬鹿な男もいるんだ」と、皆さんに生きる勇気を与える為の文章を載せています。  尚、内容に関しての苦情、反論、哀れみなどはご遠慮ください。強がっているわりには、打たれ弱い性格なので・・。また「憩の家みち」とは何ら関係なく、あくまで個人的主張であることを重ねてご理解ください。

よりみち

2010.最後の勝負へ!

 2010年、俺は最後の賭けに出る。理想を言えば、こんなくだらない介護の世界とはおさらばし、畑仕事でもして自給自足な生活をしていこうと夢見ている。これから先々のことを考えると、怖くてたまらないからだ。
先日、政府の経済成長戦略が発表され、医療・介護分野の新事業支援など含め、3年で200万人の雇用と60兆円の新規需要の創出を目標に掲げた。「介護は質より量」みたいに言われたようで、馬鹿馬鹿しい。まったく、貴重な1票を返せよって言いたくなる。
 たしかにこの景気の中、いつまでも解決しない雇用対策に、介護分野を持ってくるのはすべて悪いとは言わないが、「経済成長戦略」と名目では少し疑問だ。医療介護分野で働く人が増えることは、雇用対策には成り得る。でも、結果的にそのことが医療保険、介護保険料が増え、税金や自己負担も上がっていく。つまり、この分野を大きく伸ばしていくことは、やがて社会保障費を上げざるを得ない現状、そして、我々の負担となって必ず返ってくることなんだ。それが成長戦略って・・。困った苦肉の策だろう?
 以前の介護を取り巻く環境は、箱物介護、つまり行政から補助金を出し、大きなコンクリートの建物を作り、お年寄りを面倒見る。それから時代が移り、「施設から在宅へ」の移行し、在宅介護サービスの整備が進められた。そして、結局、元の木阿弥。「物から人へ」という一見素晴らしく見えてしまうスローガンの基、以前と同じようにこれからどんどん新しい施設が作られていくのではと危惧している。
 たしかに、介護の直面している状況は猶予を許さない現実もわかる。今は高齢者専用賃貸住宅なるものが、国土交通省のもとにどんどん進められ、介護保険とのくだらない矛盾を生んでいる現実もある。まったなし、の状況は理解するが、だからと言ってまた同じように箱物を作り、介護雇用者を募れば、結果的に税金の無駄使いにつながる。
介護の質をどうやって向上していくか、枠にはまったサービスではなく、どうやって介護に魂を込めていくかを努力している俺達にとって、この現実は辛くて仕方がない。
 ただ、高齢者を取り巻く環境の中で、地域でサポートしていく新規事業の取り組みについては、具体策はないものの一定の評価をするし、俺達もこれからどんどん進めていきたいと思っている。介護保険を食いつぶすようなマネはこれ以上すべきでなく、福祉の原点に返ってサポート体制を構築すべきだと思う。
 でも、昨今ニュースでも話題になっているように、「認知症サポーター」だか行政が進めて、またこれを教育するための講師、講師を育成する為の研修が、どんどんでき始めてきた。成年後見の必要性が叫ばれ、勉強会や連絡会を称した飲み会も開かれるようになった。わけのわからない資格や立場が増え始め、利権に目がくらんだ偽物福祉人が、どんどん増え始めている。それぞれの役割は重要なものがあるのかもしれないが、その裏には、偉そうなウンチクならべて銭儲けしているペテン師がいることを忘れてはいけない。
 まぁ、これから世の中がどんどん進んでいくから仕方ないにしろ、俺達はその意味で時代に置いて行かれる存在なのかもしれない・・。
 
 だからこそ、俺達は自分達ができる新しい福祉を始めなければならない。その意味で、この2、3年は、俺にとって大きな勝負の年になると思う。介護保険で飯を食べて生きてきた負い目を今まで感じてきた俺は、そのお詫びの記しを世の為人の為に残したい。今こそ、己の福祉道の、一つの集大成を表現したいと思っている。
 これからどんどん増え続ける、介護業界の能書き評論家にはわかりやしない。資格や研修ばかり出て、介護のスキルを上げたような勘違い野郎にはわかりやしない。

俺達、福祉人のすべきことは、自ら身体を張って人々を救うこと。そこに変な理屈はいらねぇのさ。だからガン首並べて能書き垂れるより、行動することが大事ということだ。

自分にとって一体何が一番大事なのか? 愛する家族?社会的地位?溢れる財産?
別になんでもいいけど、俺は「信念」こそ、何より大事なものだと思っている。己が信じる心を持ち続け、戦い続けることに「生きる価値」があるんじゃないのか。

 「我が、福祉道は永遠なり」

 俺は、自分の信念に基づいて、これからも福祉道を実践していく!

投稿日:2010/01/07 18:07:28