よりみち

 この“よりみち”は、家長:石津が勝手に、ウンチクを語ることで、「こんな馬鹿な男もいるんだ」と、皆さんに生きる勇気を与える為の文章を載せています。  尚、内容に関しての苦情、反論、哀れみなどはご遠慮ください。強がっているわりには、打たれ弱い性格なので・・。また「憩の家みち」とは何ら関係なく、あくまで個人的主張であることを重ねてご理解ください。

よりみち

介護事業所は自ら奉仕活動をすべし!

俺は、介護保険で飯を食べていることが恥ずかしいと思っている。多額の税金・保険料、利用者の一部負担も含め、本当にそれに見合ったことを自分達はしているのだろうかと、不安を覚える。

俺達がやっているのは、所詮「介護ビジネス」だ。決して儲かる仕事ではないにしろ、少なからずお金を頂戴しているわけだから、そんな言葉を使っても語弊はない。多くの医療法人や社会福祉法人、NPOや株式会社だって、稼ぐために福祉をしているのが現実だ。

福祉=奉仕=介護=ビジネス?
その方程式か未だに納得できない。

でも、現実的に、俺達は介護を提供してお金を得ているから、介護=ビジネスは確かな答えだ。でも、それがイコール福祉には絶対になっていない。

だけど、普通の人が考えた時、我々のような介護事業所が、「福祉活動」をしていると誤解されることが、大きな問題だと感じている。

本当の意味での福祉とは、日常的に、誰もが心を込めて接することにその意義があるのにも関わらず、いつしか、一部の人間でしかできない福祉に、変わってしまったのだ。つまり、介護ビジネス=福祉ビジネスになってしまったのだ。

介護は現実のものであるのに対し、福祉は空想的なものだ。人間は想像する生き物であるが、そうした間違った考え方が、福祉の姿をどんどんマイナス方向に導いていったと思っている。いつしか福祉は、介護事業所によって形骸化されたと言っても過言ではない。

一方、アサヒビールは自然を守る福祉活動をしているし、クロネコヤマトは障害者の就労支援や助成活動をしている。むしろ、そんな大手企業の方が、自主的・自立的な福祉活動を実践しており、社会的責任を果たしていると言える。

だから、この福祉業界、特に高齢者分野では、「受け身」的に宣伝するのではなく、実際は、利益を出し、給与も貰い、税金の優遇を受け、「儲かっています」ということを全面に出し、その上で、一つでもいいから、無報酬活動を実践すべきだと思う。それだけで、多くの方が救われるはずだ。今の時代の介護事業所としては、寄付を貰う立場ではなく、寄付をする立場にならないと、いつまで経っても進化するはずがない。(あくまで高齢者分野のことであり、障害者分野では経営自体大変な所が多いのが現実だ)

収益性を求める企業ですら、それほど純粋な福祉活動を実践しているのに、我々、日々そうした活動に携わりながら、世間に胸を張って福祉活動をしていると言えないのは一体どういうことだろうか。だから、もっと、利益を度外視し、本当の奉仕活動を実践すべきであり、俺達にはそうした責任があると思うんだ。

そして、介護事業所をこれ以上増やすのではなく、その前に、俺達の福祉力(相互扶助)をもって、本当に銭ではなく心から支え合う社会を構築すべきなんだ。それが我々に与えられた使命だと思っている。

つまり、介護ビジネスとは、福祉の基礎を学ぶ一つの過程に過ぎず、目指すべきは、その先にあるものだと思う。困っている人に対し、先ずは自分達に何ができるかを模索し、サービスではなく、純粋な奉仕的福祉活動をすべきだ。そのことで、介護事業所として、福祉に対する先駆的役割を果たし、物や金じゃない、相互扶助こそ福祉の心であることを証明できるものだと思う。

「金はなくても、心があれば、福祉はできる」
俺は、この言葉を実践してみせるよ。
投稿日:2009/05/08 22:12:47