よりみち

 この“よりみち”は、家長:石津が勝手に、ウンチクを語ることで、「こんな馬鹿な男もいるんだ」と、皆さんに生きる勇気を与える為の文章を載せています。  尚、内容に関しての苦情、反論、哀れみなどはご遠慮ください。強がっているわりには、打たれ弱い性格なので・・。また「憩の家みち」とは何ら関係なく、あくまで個人的主張であることを重ねてご理解ください。

よりみち

お金は大事だ。でも、1番じゃない!

おふくろはよく俺に言うんだ。「お金がないということは、首がないのと一緒だよ」
今も昔も変わらないだろうが、銭がなければ何にもできない。だからこそ、俺達は仕事をし、その対価を得て、生活を維持することはできる。

だけど、昨今、やたら銭・金の話ばっかりで、本当にうんざりしている。100年に1度の大不況だか知らないけど、それまで銭金を追い求めて美味しい汁を吸っていた奴らもいるだろう。それが今になって「さぁ困った」「さぁ税金ばらまけ」って、何考えているだかさっぱりわからない。それで結果的に痛い目にあうのは、派遣労働者などの末端の人々だ。

俺なんて36歳にもなるのに、貯金100万なんて貯めたことねぇよ。金は天下の回りもの、だから、入ったら使いまくっていた。お金なんて所詮、紙きれだ、パッーと派手に使った方がスッキリしていいじゃないか。いや、まてよ・・。それまで景気が良かったのは、ひょっとして俺が浪費し続けてきたからもしれないな。なんか寂しい言い訳だけど・・。

しかし、どいつもこいつも、銭金ばかりで、本当に嫌になる。一層の事、共産主義にしてすべての財産を国のものにしてしまえば楽になるかもしれない。もう資本主義は飽和状態だから、もう一度、武士道から日本人教育を行い、共同意識を養い、資本・共同主義国?を作るのも面白いと思う。

一番怒れるのは、独身女性に「理想の男性は?」と聞くときが腹立たしい。年収いくら以上だの、車はあれじゃなきゃだめだの、・・もう、物の価値だけでなく、人の価値までも「金」で評価されるようになったと思うと悲しくなる。

金は大事なものだと思う。だからこそ、人間は追い求め、争い合い、憎しみ合うものだ。時に家族愛ですら、そんなものの為に破壊される時がある。金がなければ日常生活も、自己表現も、家庭生活も維持できないのが現状だ。

俺も昔から自給自足の生活への憧れがある。それは、くだらない都会暮らしともおさらばし、競争もせず、金のことも考えず、その日に食べるものは自分の力で、海や山で仕入れてくる。という夢物語を考えていた。でも、クモ一匹でビクビクしているような男がそんな生活できるわけないし、自給自足するにも、今はお金がなければできないのが現状だろう。

だから、悔しいけど、お金って大事なんだよ。決して1番じゃないけど、大事なんだ。

俺は昔、「金には色がある」と教わったことがある。一生懸命、汗水流して稼いだお金にはちゃんと色がついている。だから大事に使わなければいけない。でも、ギャンブルなど、突発的に得たお金には色がない。だから、そんな金は金であって金でない。

今となっては元手もなく、ギャンブルはしなくなったが、昔は、よく競馬やパチンコで儲かった時は必ずその日のうちにドンチャン騒ぎして全てを使い果たしていた。所詮「泡銭」だという認識があるから、もったいないなんて思わない。むしろ、それで味を占めて、ギャンブルにのめり込む方がよっぽどもったいないし、それを頼りにしては、将来の展望も暗いだろう。

だから、俺達ももっと、「価値ある金」を得なければいけないし、そのためには、「価値ある仕事」をするべきだと思う。俺は、人の心配を誘って銭を引き出そうとする保険会社も、動物を物のように扱って勝手に繁殖させて銭儲けるブリーダーも、立派な仕事ではあるだろうけど、あまり個人的に好きではない。同じように、「お年寄りの為に」って笑顔振りまいて銭勘定している今の介護業界も詐欺集団の集まりで大嫌いだ。

貧乏人の俺が言うのも変だが、まず大事なことは、銭に執着しない方がいい。「金の為に」という目的は絶対に成功しない。まず「人の為」、「動物の為」「地球の為」・・、誰かの何かの役に立つ為に目標を設定し、その為に何を実行していくか、それが結果的に結びついていくものだと思う。

でも、それなのに、最近では介護分野でも、ここぞとばかりに「介護職員の給与アップを!」と、平気な面して声上げている奴がいる。たしかに、人手不足や社会的地位向上など、言わんとしていることはわからなくもない。でも、税金と保険料、そして1割の利用料という安定的な収入を頂いておきながら偉そうに主張するなって言いたい。

そもそもNHKで、「平均年収」「今年の平均ボーナス額」とか報道するから、介護職員はみじめになるんだ。余計な情報を公表しないでもらいたいと思う。

俺から言わせれば、給料なんて下げてもいい。むしろ、全国一律の給料設定でも面白いと思う。会社員の平均給与の何十%ダウンに設定し、一律で配ればよっぽど国も助かると思う。しかし、これ以上、給与を上げたら、どんどん銭の為に働く大馬鹿者が出ていて、益々福祉の根幹が薄くなってしまう。

生産性のない介護の仕事は、給料が安くて当たり前なんだ。でも、その分、色々な付加価値があるじゃないか。

「給与なんて安くてもいい、でも、それ以上に大切なものがこの仕事にはあるのだ」せめてそれ位言わないと、これからの介護は先行き不安だよ。心ありきじゃないと、本当の福祉なんて実現できやしないよ。

これからの介護も、お金がないと続かないと言われている。そんなもの、俺はくだらないと思うから、金なんてなかろうが実践してやろうと決意している。でも、実際のところ、「健康は金じゃ買えない」というが、健康を維持する為の「薬」は金がないと買えない。それに死んだ後の戒名も、そこに値段が上手に設定されているようだ。「地獄の沙汰も金次第」、だから、人間は生きていても死んだあとでも、そんな銭金に追い回されて過ごさなければならない宿命なのかもしれない。

金によって人間は強くもなり、弱くもなれる。そして、あらゆるものが良くもなり、悪くもなる。だから、華麗に空を舞い踊ることもできれば、醜くく地の底に落ちぶれることも簡単にできてしまうものだ。所詮、金というのはそれらを成し得る一つの媒体に過ぎず、そんな物の為に、俺達の人生が振り回されちゃたまったもんじゃない。

俺は貧乏人だから、胸張って言えるよ。金なんてち〜とだけあればエエ。ささやかながら、寝るとこと食べることさえ出来れば、それで幸せじゃ。執着するから競争が生まれる。そんなものくだらないと思うえば気持ちも楽になるものさ。

生ある熱き心こそ、人間として見失ってはいけないものだ。もちろん金は大事だ、でも決して1番じゃない。

金より大事なものは、数えきれないほどあると思う。それを一つひとつ、自分の胸に聞いてみなよ。その答えが出た時、生きるのが楽になり、金で評価されない、新しい時代が訪れると思うよ。

投稿日:2009/04/17 23:12:16