よりみち

 この“よりみち”は、家長:石津が勝手に、ウンチクを語ることで、「こんな馬鹿な男もいるんだ」と、皆さんに生きる勇気を与える為の文章を載せています。  尚、内容に関しての苦情、反論、哀れみなどはご遠慮ください。強がっているわりには、打たれ弱い性格なので・・。また「憩の家みち」とは何ら関係なく、あくまで個人的主張であることを重ねてご理解ください。

よりみち

福祉に理屈はいらねぇ!

「奴等は考える。でも俺達は行動する」
こんなこと言いながら、ロックに酔いしれ、勢だけで社会を敵に回して格好つけてきた。

あれから20年。悲しいかな、大人になり、守るものができ、「考えて行動」することが増えた。実に悲しい限りだ。

俺は常に荒々しく生きてきた。いや、ただ、それを演じていただけであり、本当の自分は臆病で何もできない、何かの力を借りないと物も言えない弱い人間なんだ。でも、そんな無理が生じて、やっぱり身体が言うことを利かなくなったのはある。

福祉もまさに考える前に行動することが大切だ。でも、昨今のこの業界は、何かにつけて根拠ばかり追い求めて、何でも難しく考える過ぎることがあると思う。

今度、就労支援ボランティアを本格的にスタートする。その名も憩の家みち「働き隊」。数人の利用者と一緒に地域に出て、一緒に働く、稼ぐ。それを皆で給与として共同分配する活動だ。実はこの思想はかなり前からあり、それ用の小屋も準備した。デイとは独立した形でやりたかったし、このまま役人に頭下げなら生きるのも悔しかったから、どうしたら採算が合うか考えていた。でも、結局、今の業務に追われたり、現実厳しい部分もあり、そのまま何もしていなかった。

「これをやることで、どんな利益があるのか」、そのときの俺は、そんなことばかり考えていたんだ。何を得られるかばかりを考え、理屈ばかりこねて、まったく行動をしようと思わなかったんだ。「馬鹿な考え休むに似たり」、よく親からそんなこと言われてた。

ここをはじめた当初、特別リサーチなんてしたことはなく、「やって駄目なら諦めよう」って単純に開始した。それがもう12年だ。何かを始める時、たしかに準備も大切だろうけど、その何倍もの「勢い」が必要なんだよね。理屈ばかりこねて考える暇があるなら、外へ出ることが大切なんだよね。

この就労支援ボランティアは必ず必要だと思っている。ここに来ている利用者が、こんなくだらないデイに通うことなく社会で活躍してほしい。そのことで、この地域への恩返しがしたい。もちろん採算性なんてあうわけがない。でも、俺は「福祉」をしたいという思いからここをスタートした。それで潰れたら、それはそれで本望である。特攻隊みたいなもんやな。

俺は単純馬鹿な男だ。綺麗なものは綺麗。美味いものは美味いで十分であり、そこに評論家の理屈なんていらねぇんだよ。「この淡い色合いが・・」「舌に残る酸味が・・」とか、うるせぇよこのやろう。黙って食えって、お前ら親から教育されてねぇのかよって言いたくなる。まぁ、それほど、今のこの世の中が平和ってことなんだろうけどな。

この介護の業界も、本当に理屈ばかりこきやがるやつが増えた。計算高い賢い連中が増えすぎた。亡くなった大杉蓮さんじゃないけれど、本当に「現場者」が大切であり、そんな馬鹿が少なくなったと感じる。

だから、俺は人の上に立つことができない。人を使うことができない。模範的リーダーになることができない。上手に世の中を渡っていくことができない。そんなことぐらい、自分が一番よくわかっている。

ただ、人間で馬鹿だから、どこかで必ず勘違いするもんだよな。「俺ってできるじゃないか」ってさ。だからここまで俺は成り上がることができた。でも、もう、この世界では十分やるべきことはやったと思う。

だから、次は、その恩返しだ。福祉に理屈なんていらねぇ。こんなくそったれな業界を生き抜くために、頭を下げながら情報を求める馬鹿にはなりたくない。いつまでも、自らの力で美しいものを追い求める、惨めな馬鹿でありたい。

面倒くせぇことは嫌いだ。物事はシンプルが一番だ。
人生も同じさ、駄目なら諦めればいい。ただ、考える暇があるなら行動することだ!
自分らしく燃え上がり、華々しく散ればいい。それが究極の美だろう。

それが僕の生きる道なんだ。


・・と、言いながらウジウジしているが・・。

投稿日:2018/03/16 13:51:32