よりみち

 この“よりみち”は、家長:石津が勝手に、ウンチクを語ることで、「こんな馬鹿な男もいるんだ」と、皆さんに生きる勇気を与える為の文章を載せています。  尚、内容に関しての苦情、反論、哀れみなどはご遠慮ください。強がっているわりには、打たれ弱い性格なので・・。また「憩の家みち」とは何ら関係なく、あくまで個人的主張であることを重ねてご理解ください。

よりみち

心と体を鍛え、己を強くすること。

俺は人から世話をされるのが嫌いだ。なぜなら、俺は世話をするために生きているからだ。どんな人だって絶対に逃げたりしない。どんな人だって自分の限界まで向き合ってやる。100人の敵ができようが、目の前の1人が困っていたら、それにすべてを捧げる覚悟がある。

たからこそ、常に肉体的にも精神的にも強くなければならない。だから人一倍鍛えるし、喧嘩もする。でも、俺はそれをスタッフには求めることはない。介護はチームアプローチが原則ではあるけれど、介護魂という精神論はまったく個人の能力そのものだと思う。俺みたいに感情的・直観的にやることしかできない馬鹿は、それが原動力になる。

介護は課題のある人を支えることであるから、常に変化し動きあるものであり、その時の俺達の感情こそ、波があって当然だと思う。そこを、ある程度一定に保つためには、やはり個人のアイデンティティの問題であり、情緒力を磨く努力を俺達は常にしなければならないと思う。

俺は昔から外国人介護労働者の受け入れは生理的に受け付けないが、そこには日本人でしかわからない、生まれながらに持つ美的感性があり、ただ人がいないから、世話をするだけの名目で、高い税金投入して国が主導してやることに、介護職員を馬鹿にされたみたいで、いまだに腹が立つ。日本人のそのセンスを外国人にわかるはずがないし、それを教育するのも筋違いと俺は思っている。

俺は自分のスキルを高める為に、たくさんの本を読む。歴史、政治、犯罪関係が多いかな。小説なんて読まないし、介護の本なんて、もう何十年と目にしたことないな。高校の講師をした頃も、ろくに教科書なんて使わなかったからな。そもそも、俺は介護のスキルをあげるつもりもない、くだらんことに翻弄されるのはまっぴらごめんだ。

最近、よく、「困難なケースの情報を共有化して、解決に向けて勉強会をしましょう」って、アホみたいな仲良し倶楽部みたいに呼びかけて集まっているらしいけど、俺は基本的にそういうのが嫌いだ。たしかに、迅速な対応を迫られるケースであったり、他力本願でやっている気弱な介護者にとってみれば、そうしたものは必要だとは思う。

利用者目線にたっても、早く問題を共有化し、解決を目指す為に、そのスキルをお互い高めあうことは無駄とは言わない。でも、そうした問題のケースは、よほど危険が及ぶ可能性があるときに限り行えばいいことで、そんなことは全体からすれば数少ないと思う。

いきなりベテランが来て、真相、真犯人を教えられたって、なんの探究する楽しいがなくなる。攻略本もたしかに大事だが、まずは自らの力で行き当たりばったりでもいいから試してみて、失敗して、挫折して、その繰り返しこそ次の意欲につながる。介護って、そんなプロセスが楽しいんだよ。だからこそ、くだらない会議なんかに時間を費やすより、人生のなんたるかを考え、個人の高次の情緒力を高める方がよほど価値があると思う。

日本という国の素晴らしい四季の移り変わり、物の憐れや命の鼓動に感動する力を養うことが、俺達には1番大切なんだと思う。

でも、この業界は本当にすごいよな。静岡県内でも1年で400件以上の介護施設が立ち上がっているというのだから驚きだよな。人がいないもんだから、半端野郎どもがどんどんこの業界に参入し、ちょっと勘違いしちゃったベテランは引っこ抜かれてよ、経営者にいいように使われてボロボロになる。経営者連中は私利私欲ばかりの連中で、この介護の本質を理解せず、銭勘定しかしちゃいない。

集団指導とか勉強会とかで「いや、久しぶり」なんておべっちゃら使っているけどよ、お互い腹の探り合いで、綺麗ごとばかりいうけど、恨みつらみのオンパレードだ。まったくくそったれだよな。

本当に周りはどんどん拡大して、支店も出して、羨ましいとは思うな。よくそんな意欲、野心があるなぁと関心する。まぁ、俺も男だから、拡大路線を考えたこともあるし、銀行もバンバン出しまっせというし、悩んだ部分もある。でも、うちの税理士はすごいよ。俺の性格をわかってるから「いや、石津さん、お願いだからやめて。堅実にいきましょう」、お調子者の俺を見据えて、そう諭してくれる。でも、まさに真髄。周りと同じようにやってたら、それこそ俺達らしくないわな。

今度、俺達は、新しいことに挑戦する。周りが外に目を向いている中で、俺達はあえて内に目を向ける。ここでもう一度利用者さんに着目した『好き好きプロジェクト』をスタートする。担当制みたいな堅苦しいものではなく、好きな人を自然の中で観察し、新しいことに挑戦していく。ナイスカップルには商品券のプレゼントという特典付きだ。まぁ、詳細は語れないが、まさに俺達にしかできない、オンリーワンの支援ができると思う。

自分で何ができるか、仲間とどこまでできるか、それでも先が見えなかったら、第3者に助けを求めればいい。俺はこういう考えだから、常に周りから嫌われていくんだと思う。望んでいないが、孤立化していくんだろう。でも、介護の真髄とは、自分との闘いであり、限界への挑戦であるということを忘れてほしくない。
信じられるのは自分の力だけなんだ。

投稿日:2015/09/05 14:49:09