よりみち

 この“よりみち”は、家長:石津が勝手に、ウンチクを語ることで、「こんな馬鹿な男もいるんだ」と、皆さんに生きる勇気を与える為の文章を載せています。  尚、内容に関しての苦情、反論、哀れみなどはご遠慮ください。強がっているわりには、打たれ弱い性格なので・・。また「憩の家みち」とは何ら関係なく、あくまで個人的主張であることを重ねてご理解ください。

よりみち

負けるが勝ちだ。

今年の4月から変わった介護保険制度、先月の数字をみたらびっくりした。正直、こんなに悪くなるとは想像もしていなかった。それこそ、まともにやっていたら赤字になっちまう。取れる加算をとればよかったかなぁと、少しだけ後悔はしている。こうなったら不正請求でもやってやらっか。とは?思わないけどよ。

でも、先日、NHKで介護報酬の不正請求の問題がやっていたけど、笑っちまったよ。俺は最初から、ケアマネの監視性、中立性なんてあてにしてない。ほとんどのケアマネが、どこかの法人に属しており、そこの施設に利益がいくように、どうしても誘導されてしまう。「熟練された経験者がケアマネになっているから」だって。馬鹿じゃねぇか。それがむしろ余計なんだよ。

テレビでよ、「ケアマネ報酬が月に50万前後、それから経費とか引いても手元に30万前後しか残らない。だから独立して居宅事業所はやりたがない」とかいっているし。おい、月30万も貰っているんかよ。それなら俺もやろうかな。

でも、独立している居宅ならともかく、ケアマネの監視なんて、自法人には甘くなり、そんなものできっこない。不正請求するやつらも、それはわかってはいるんだろうけど、どうすることもできない現実があったのかもしれない。結局は経営者の言いなりなんだよ。

まぁ、その気持ちもわからんでもないけどよ。

どこの事業所も、居宅を立ち挙げて、自分達のサービスに結び付けようとする。減算なんて法人全体の収支からすれば、たかがしれている。事業所も加算をバンバンとる。計画も平気でそのように建てられている。ケアマネの口頭戦術によって、うまく利用者や家族が誘導されていく。

世間的に勢いのある施設って、表ではきれいごと言ってもよ、裏ではそんなからくりがあることを、多くの人はわかっちゃいないんだよ。

施設入所なんて、家族はまだ心の準備もできないのに、「これを逃すとかなり先になりますけど」なんて脅しをかけて、急いで入所の準備を迫ってくる始末だ。

年寄りに絶対言ってはいけないこと。それは「早く!」という言葉なんだ。「早くしろ」「早く死ね」できるわけねぇんだよ。スーパーマンだって、若いからこそ空を飛べるもんさ。

早く○○して、は絶対の禁句ワードなんだよ。

本当に、この介護業界は、どいつもこいつも汚い奴らばっかりだぜ。弱った老人共にたかるハイエナのようなものだ。本当に頭にくるぜ。

まぁ、俺もこれで飯を喰っている以上、同じように見られても仕方ないがよ。

でもよ、それは、社会福祉法人も医療法人も、株式会社も全く同じなんだ。いつも、営利法人が悪いみたいな報道がすぐになされるが、そんなことはどこも同じであり、むしろ、税制上の優遇を受けている奴らの方が、俺は罪だと思う位だ。まぁ、営利法人は、特に数字に敏感だから、そう思われても仕方ない部分はあるけどよ。

ケアマネも、もっと経営者に文句言う位の本物、俺達のようなサービス事業所を、本当に中立的に見て、時に叱咤激励するぐらいの人間が増えてくれば本当にいいと思う。でも、この業界は、そんな兆しすらない。どんどん膨れ上がるこの業界に、われ先にと、事業を貪欲に開始する奴らばかりだ。

でも、負け犬の遠吠えになるけど、そうは言っても、やっぱり、事業的には居宅を立ち上げた方が正解なのかもしれない。だってよ、利用者の増減が激しければ、もろに収支に関わってくるし、安定性からすれば、それは当然のことだとは思う。

まぁ、俺達は、そんなことはしないけどよ。常に単独事業所として、限界まで闘う覚悟はある。俺らは俺ら。いつまで続くかわからないけど、そう、強がっていくわ。

だからこそ、俺みたいな馬鹿は足でバンバン営業していくしかない。困った人や大変な人を、どんどん受け入れるしかない。現場のスタッフからすれば、たまにキャラが濃すぎて、すぐにお腹いっぱいになることも、それはあるけれど、でも、そうした人たちが多い方が、逆にいうと楽しいんだよね。だから私情をからめたくなる。本気になってしまう。俺達が飲んだ時なんてネタがつきないもんな。

そんな社会の逆風に、俺達は挑まなければいけない。負けるかもしれないけど、とことんまで闘っていくつもりだ。俺達は、この10年、こいつらと悩みながらやっていた。みんな素人集団の集まりだし、あるのは、「この人を何とかしてあげたい」という熱い思いだけだ。

誰からも教わる介護力ではなく、素人ながらも、悩んで、苦しんで、それなり力をつけてきた。だから、結局は、常に介護力をあげるしか方法がないんだ。それが、同じサービス事業所と闘う為の鍵なんだ。

でもよ、俺もこの世界に入って18年。結局は強い奴ら、強い法人には勝てないんだよな。経験上、数には勝てない。強い武器には勝てないんだよ。わかっているよ。馬鹿なのはよ。

でもあえて、加算なんてとらんわ。食事代もいらんわ。金なんて困ってりゃいらんわ。困ったら泊まればいいわ。スタッフも楽しめればいいわ。素人でいいわ。勉強なんてすんなや、感性で生きろや・・・。それが、うちらの武器になってくれることと信じている。

こんなくそったれの介護業界に、一石を投じることができれば最高だぜ。

まあ、昔から俺は喧嘩はそんな強くないし、基本平和主義者だからな。学生時代も、ある意味、ハッタリでのしあがってきた部分も否定できないしな。もちろん、ハートは常に戦闘モードだけどよ、今回ばかりは、ちいと厳しい部分があるかもな。
「バカ野郎。負けるが勝ちだ」
投稿日:2015/05/18 13:09:50